高岡細幅織物

2026.03.18
 #02

越前織協同組合の組合企業である高岡細巾織物㈱様のインタビューです。

— 今日はよろしくお願いいたします。はじめに、御社の概要を教えてください。

 

当社は織ネーム製造を始めて、創業から数えると今年で104年(1922年・大正11年創業)になります。もともとは、私のひいひいばあちゃんがこの地域の伝統産業である「羽二重(はぶたえ)織」の生地や帯を扱っていたのが始まりです。そこから時代の変化に合わせて織ネーム製造に特化し、今日まで織ネームの製造をメインに続けてきました。

現在は中価格帯アパレル市場が鈍化しているので産業資材なども少しずつ始めています。ニッチな業界ですのでなんとか細々とやっております。

産地としての丸岡の特徴

丸岡という土地で織ネーム製造を行っていることには、どういった特徴があるのでしょうか。

 

産地としては大きく2つの理由があると思ってます。1つは、もともと北陸地方は冬場に農業ができない「農閑期」があり、その時期に利益を得るための仕事として定着したこと。もう1つは、北陸特有の「湿気の多さ」です。織ネームはもともとシルク(絹)から始まっており、経糸(たていと)にシルクを使っていました。乾燥すると糸が切れやすいので産地としては適していたのかと思います。

当時は、近隣の大きな工場で羽二重織などにシルクを使用していたので、それを流用して織ネームを織っていたと聞いてます。

その後、素材は人造絹糸のレーヨンからキュプラ、ポリエステルへと変わっていきました。現在は素材の変化による湿度の影響は少なくなりましたが、原材料の調達が容易だったという当時の環境が、この地に産業が根付いた大きな要因だと思います。

丸岡で生産を続けるメリット

— 丸岡で生産するのに良い点はありますか。

 

近くに織機メーカーさんがあることは大きいですね。僕らが作っているものは単価が高いものではないので、どうしても原材料や部品の調達、物流がひとつの地域に集約されていないと、どうしてもコスト高になってしまいます。

海外に対抗する上でも、サプライ環境が近場に集まることで効率的にものづくりを進めていけることは重要だと思います。

持続可能な生産体制のために

機器が故障した場合のメンテナンス環境はいかがでしょうか。

 

当社では「レピア」「エアージェット」「シャトル織機」の3つを使っています。このうち「シャトル織機」に関しては、福井と石川の両方に1社ずつ残っているメーカーさんから部品を供給してもらえますし、技術者さんもすぐ駆けつけてくれるのですごく助かってます!

「レピア」や「エアジェット」はジャカードや機上カットをつけた織ネーム用の設備はあまり販売されてなく、ドイツ、イタリア、スイスといった海外からの輸入が主になります。部品も輸入品ですので故障時にはなかなか供給されにくく苦労しています。半導体不足の影響もあって1ヶ月、ものによっては3ヶ月も部品が届かないこともあります。

 

弊社では、なるべく「エアージェット」に仕事を集約するようにしています。トヨタ自動織機さんの「JT810」という普及している機種をベースとして採用していて、同じ織機を使っている近隣のテキスタイルメーカーさんも多く、部品の調達が比較的安定してます。

産地としての助け合い文化

— 産地の中に「助け合い」の文化があるのですね。

 

そうですね。設備が非常に高額なので、機械が壊れた時などは同業者間で注文を融通し合って手伝ってもらうこともあります。

最近は全体の流通量が減っているので産地としてこうした形を取らざるを得ないという状況ですね。

今後の展望について

最後に、今後の展望を教えてください。

 

まずは主力商品である織ネームをよりスピーディーにお客様のニーズに対応できる体制を目指します。 

もう一つは、アパレル市場の縮小に合わせて、今ある設備で可能な「新しい商品開発」や、全く別の分野へのサービス提供を目指したいと考えています。

 

— 他業種への展開として、具体的にイメージされていることはありますか?

 

新しい設備に投資するにはかなり難しい状況なので、まずは今ある機械でも可能な近接業種からですね。例えば、プリントネーム用の生地作りや、産業資材としてのテープ、ケーブルを保護するための筒状テープなどの依頼もあります。これらも当社の設備で対応可能です。

ただ既存のものを置き換えるのか、より頑丈にするのかなど条件の合致が必要です。繊維系の分野だとすでにかなり試行錯誤されていて、新しい、若しくは置き換えの産業資材は「ひらめき」がないとなかなか難しい分野だと思ってます。ですので新しいものを作るために、日々いろんな商品の製造工程や生産品を見て「引き出し」を組み合わせて何ができるか、毎日研究を続けています。

 

 

— ありがとうございました。

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